イベント / 講演
10月9日(水)〜11日(金)、ちとせグループはパシフィコ横浜にて行われたBioJapan2024 に参加いたしました。BioJapan 2024は、国内外のバイオ関連企業、研究機関、大学が一堂に会し、共同研究や事業提携先の探索を行うアジア最大級のパートナリングイベントです。今年、ちとせはバイオ生産、藻類産業、医療用細胞、資源循環の分野において日頃から協業させていただいている他機関様と共にこれまでの成果を紹介しました。
講演「『バイオ×AI』で人知を超える発酵プロセスを実現する ー新規データ活用基盤の構築ー」
バイオ生産本部 本部長 河合哲志が、主催者セミナー「バイオものづくり最前線の続編」に登壇し「『バイオ×AI』で人知を超える発酵プロセスを実現する ー新規データ活用基盤の構築ー」をテーマに講演を行いました。講演は満席のうえ、立ち見の聴講者も出るほどで、終了後、河合のもとにはAI技術の導入を検討している企業や学生など、名刺交換や質問を求める方々の姿が見られました。
日時:2024年10月10日(木)13:00~14:30
会場:G402
演者:ちとせ研究所 バイオ生産本部 本部長 河合哲志
題目:『バイオ×AI』で人知を超える発酵プロセスを実現する ー新規データ活用基盤の構築ー
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ブース「微生物培養を最適化するAI 自動培養制御システムの実現」
バイオ生産本部 本部長の河合を筆頭に、Senior Manager 柳町みゆき、BioEngineer 伊藤駿瑛はちとせブースに立ち寄る来場者に向け「AIによる自動培養制御システム」についてご紹介しました。微生物培養の効率化や生産性向上に関する技術について、ちとせ独自のセンサーとAI解析技術を組み合わせることで、培養設備を含めた環境情報と生物由来の情報の両方を把握し、これを培養制御に応用することで生産性を1.5~2.0倍に向上させるなど匠の技を超えるAI制御技術を実現していることをご説明し、皆さまにバイオ分野におけるAI技術を活用することの重要性を感じていただきました。
藻類産業
NEDOブース「微細藻類の産業化に向けた取り組み」
IMAT(一般社団法人日本微細藻類技術協会)は微細藻類の産業利用や関連技術の発展を推進する目的で設立された広島県に拠点を置く社団法人で、ちとせ研究所からの出向社員である野村純平がIMAT事務局長を、青木慎一が研究開発部長を務めております。BioJapanの開催中は、広島県から野村、青木、またBioEngineer 吉見 暢が訪れ、藻類培養技術や協会の取り組みについてご説明いたしました。
NEDOブース「光合成によるCO2直接利用を基盤とした日本発グローバル産業構築」
Senior Manager 林愛子、Manager 吉田祥悟、Manager 猪崎風葉、Researcher 関陽香は、藻類を活用した新産業構築を目指しNEDOのグリーンイノベーション基金事業(GI基金事業)の一環として取り組んでいる、マレーシアの大規模藻類生産施設「CHITOSE Carbon Capture Central」や藻類バイオマスの用途開発についてご紹介しました。またGI基金事業に付随するちとせグループ主導の藻類産業構築プロジェクト「MATSURI」を多くの方にご紹介し、途切れることなく訪れる国内外からの来場者に藻類事業の可能性を訴求することができました。
また、ちとせは 2025年4月から開催予定の大阪・関西万博日本館におけるファームエリアの展示に技術監修者として協力しています。BioJapanに訪れていた万博公式キャラクター、ミャクミャクが藻類展示の応援に来てくれました。
MAB(次世代バイオ医薬品製造技術研究組合)ブース「CHO-MK細胞を用いた抗体医薬発現細胞株構築サービス」
細胞領域では、CHO-MK細胞についてご紹介しました。CHO-MK細胞は、チャイニーズハムスター卵巣組織の初代培養細胞から産業利用のために開発されたバイオ医薬品製造用宿主細胞であり、既存のCHO細胞と比較して著しく高い生産性を有します。国外への進出に注力する同領域では、日本、インドネシア、フランス、イラン出身のメンバーが入れ代わり立ち代わりで、ブースを訪れた来場者の方々にCHO-MK細胞の樹立過程やバイオ医薬品製造用宿主細胞としての高い可能性についてご紹介いたしました。
※CHO-MK細胞は、AMED(助成番号JP18ae0101054)の支援のもと、ちとせが独自に保有する世界最高水準の細胞育種技術を駆使して樹立されました。
Mycenax社によるプレゼンテーション “Unlocking Higher Yields in Mammalian Cell Production”
台湾に拠点を置くCDMO(医薬品開発製造受託機関)のMycenax社とちとせ研究所は、今年6月に共同でCHO-MK細胞のスケールアップ培養試験とマーケティング活動を開始する契約を締結しました。本プレゼンテーションでは、各社の共同の取り組みについてご紹介いただきました。
長岡市ブース「資源循環型の取り組みに向けた連携」
新潟県長岡市は、バイオテクノロジーや再生可能な生物資源等を利活用したバイオコミュニティの形成に取り組み、内閣府より「地域バイオコミュニティ」に認定されております。また同市は、MATSURIプロジェクトにも公的機関パートナーとして参画いただいています。今年、ちとせと長岡市は資源循環の取り組みに向け新たに検討を開始しました。浄化センター等の排水や汚泥等の未利用資源の活用に向けて技術開発をするもので、長岡の企業とも連携し、新たな産業や製品の創出を目指します。
また長岡市のブースでは、毎年恒例の鏡開きが行われました。ちとせグループCOO釘宮も鏡開きのセレモニーにご招待いただき、お集まりの皆さまに長岡の地酒を振る舞わせていただきました。
今年のBioJapanには約1,500のブースが出展し、およそ20,000件に上る商談が交わされたと推計されています。ちとせ関連ブースにも、連日非常に多くの来場者にお立ち寄りいただき、年々バイオ技術への関心の高まりが感じられます。また、2日目に行われたサウジアラビア投資庁のセミナーでは、経済産業省 生物化学産業課の小松課長補佐がゲストスピーカーとして登壇し、多くの日本企業の中からちとせを「日本の代表的なバイオテクノロジー企業」としてご紹介いただきました。持続可能なビジネスへの強いニーズに応え、ちとせはこれからも千年先まで続く豊かな未来を実現すべく、世界のバイオエコノミーを推進してまいります。当社の取り組みに協力・参加をご検討いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。
<BioJapan2024 概要>
イベント名:BioJapan / 再生医療JAPAN / healthTECH JAPAN
日時:2024年10月8日(水)~10月11日(金)10:00~17:00
会場:パシフィコ横浜 展示ホール、アネックスホール、ノース
公式ウェブサイト:https://jcd-expo.jp/ja/
<MATSURIプロジェクト>
https://matsuri.chitose-bio.com/
太陽光を唯一のエネルギー源とした藻類の大規模生産と事業化に強みをもつちとせグループが中心となり、産官学と共にこれまで誰も成し得なかった藻類産業を構築するプロジェクト。MicroAlgae Towards SUstainable and Resilient Industryから名付けられたMATSURIの名の通り、人類史上に残るお祭りとするべく、藻類の活用を通じたサステナブルな社会をつくります。MATSURIでは、藻類産業の構築に向けて、業種や規模を問わず、更に様々な企業の皆様のご参加をお待ちしております。お問い合わせはこちらから。
<ちとせバイオ医薬品製造用の発現細胞株構築受託サービス>
https://chitose-bio.com/jp/cld-service
10年以上にわたる研究開発を経て、増殖性と生産性の高い宿主細胞株CHO-MKを開発しました。ちとせ研究所では、CHO-MK宿主細胞とオリジナルのChitose Super CHO(CS CHO)発現ベクターシステムを用いて、目的の組換えタンパク質を高発現するプレマスターセルバンク(Pre-MCB)の受託作製サービスを提供しています。
<関連情報>
[ニュース] ちとせグループがBioJapan2024の展示ブース5ヶ所に参加 ―バイオエコノミー社会実現へ向けたシステムを多数紹介―
[ニュース] MYCENAX社とちとせ研究所、CHO-MK細胞のスケールアップ生産とマーケティング活動を開始する契約を締結
[プロジェクト] AI×発酵により、培養技術の職人芸を次世代に継承する
[プレスリリース] ちとせ、大阪・関西万博日本館内の藻類が主役となる 「Farm Area(ファームエリア)」の展示に技術監修者として協力
バイオ医薬品製造用の発現細胞株構築受託サービス