「2025大阪・関西万博」
特設サイトはこちら
イベント / 講演
京都大学/ちとせ研究所拠点(NEDO関西圏バイオファウンドリ)とは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施する事業(以下、NEDO事業)・カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発において、ちとせ研究所が委託したAIを活用した自動培養制御技術の開発の拠点となる場所でした。その後、国としてバイオファウンドリ拠点を整備する政策が推進され、30Lスケール培養装置を10基備える最新の技術が活用された培養拠点として認定され、23年度より技術開発だけではなく拠点機能としても正式にNEDO事業として運用が開始されました。
本拠点を日本の公共拠点として多くの方に知っていただくべく今年の10月27日に施設の一般公開として第1回見学会を実施したところ、24社・24名と、予定していた定員を超える多数の皆様にご参加いただきました(その際の様子はこちら)。24社・24名と、予定していた定員を超える多数の皆様にご参加いただきました。実際には定員数の3倍以上のご応募をいただき、あまりの多さに急遽1社1名でのご参加をお願いするなど制限を設けざるを得ず大変申し訳なく思っておりました。そこで、急ぎ第2回・第3回見学会を開催したところ総勢で22社・41名と多数の方にご参加いただき、本拠点に対する注目の高さを実感しております。
本見学会の構成は前回と同じく、前半は講義によるNEDO事業全体の構想と技術説明、後半はラボツアーの二部構成としました。本拠点はちとせが開発する最先端の培養機能だけでなく、京都大学が進めている探索機能も有しており、探索技術については京都大学 原良太郎 特定准教授および竹内道樹 特定助教よりご講演いただきました。その後、ちとせグループ バイオ生産部長 河合哲志よりAIを活用したバイオ生産マネジメントシステムの開発に関する講演を行いました。
見学会では、最先端のAI技術対応仕様の培養設備およびちとせが開発した新規センシングデバイスに加えて、本拠点にのみ設置した最先端のAI制御システムをご紹介しました。このAIシステムは9月にリリースしたAI自動制御試験の基になったシステムであり、見学当日もAIがリアルタイムにデータを受け取りながら自律的に培養の状態を改善している様子を見ていただきました。見学者からは、こういった先端技術が欧米からではなく日本から発信できていることに感動した、との嬉しい声をいただき、これまでの苦労が報われるような気持ちが致しました。
また、本見学会を通じて、発酵生産を実施する、または発酵生産を支援する企業の皆様のほとんどが、従来から変わらない手法で発酵生産を続けている状況に対して危機感を持っている、というご意見を頂戴しました。これからバイオエコノミーが拡大する流れが世界的に活発化していく一方で、ノウハウ依存の状況では新規参入者にとってハードルが高いのはもちろんのこと、既存企業にとっても新たな挑戦のためにこれまで社内で積み上げたものを再度積み上げ直すことは大きな障壁となっているようです。これをデータ駆動の仕組みを取り入れることにより、ある部分ではAIからインサイトを得ながら人の機能を拡張し、またある部分ではAIに任せることで人ではできなかったことを達成するなど、新しい技術をもって新しい挑戦に向かうことが求められていると改めて感じました。
本拠点の見学をご希望の場合、または個別でご相談をご希望される場合は下記よりお問い合わせください。
AIバイオ生産サービスページ:https://chitose-bio.com/jp/ai-bioproduction
関連リンク
本プロジェクトは、NEDO事業「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」の支援を受けたものです。
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101685.html
本プロジェクトの成果が日経電子版に掲載されました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC25ALP0V20C23A9000000/
“世界最先端のAI自動培養制御システム”についてはぜひ以下の記事もご覧ください。
https://journal.chitose-bio.com/hottopics76/