ちとせグループでは技術開発を行う際に、「科学」と「技術」と「事業」の3つの関係を常に意識することを重視しています。これらの関係は、科学⇒技術⇒事業と一方向に進むのではなく、科学⇔技術⇔事業と双方向の関係の中で高めあっていくものであると考えています。
「事業」「科学」「技術」のそれぞれを深く追求するためには、それぞれが全く異なる価値観を大事にすることが求められます。それぞれに従事する人々の正義感や常識は全く異なることを理解しなければなりません。「事業」「科学」「技術」のそれぞれを深く追求するために、守り続けなければならない価値観をそれぞれリスペクトしながら、「科学」「技術」「事業」のそれぞれを高め合うにはどうしたら良いかという難題から逃げず、むしろ積極的にこの価値観の相違に対峙することが、ちとせグループの存在価値であると考えています。
技術開発を進めることで我々が作っているのは「産業」です。ラボスケールにおけるできるできないを過度に追い求めることなく、産業規模で技術を実現する最終イメージを意識しながら、実現に必要な技術シーズを社内外で探すこと、さらに産業規模で安定的に稼働できるレベルまで作り上げることを求めています。01
実験データという現実を直視し、現実をしっかりと把握することを大事にしています。当初の計画と違う現実を無視せずに、むしろ予想と違う結果を積極的に集めることで、目的を実現するための新たなルートを探り続けることを技術開発の根底に求めています。いつまでも「当初の計画通りに進む」技術開発は求めていません。02
産業を産み出すという目的を実現するために過去の轍を踏むことを目的としない自由な発想で技術開発計画を組み立てることを追求することと、世の中で認められた手順で客観的にも評価されるきちんとしたデータを得ることも同時に求めています。特に後者は「安全を守る」という意味でも重要です。03