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産業ニーズに応える、ちとせの菌株開発力

近年は遺伝子組換えやゲノム編集などの工程を通じて、より直接的に目的の能力を持つ微生物や細胞を作製することが可能になりました。一方で、遺伝子組換えのみに依存した微生物構築の限界も見えてきました。その理由は、生物というまだ解明できていない領域が多い対象に対して、合成生物学のような演繹的アプローチのみでは完全ではないためです。

当社は合成生物学的な解析的手法と、独自の変異技術である不均衡変異導入法(帰納的手法)を場面によって適切に使い分け、また融合させることで、研究用ではなく産業に資する性能を付与することが可能な独自の菌株開発技術を作り上げてきました。

遺伝子組換え技術が利用できない生物や、従来の育種では付与できなかった形質、また、遺伝子組換え後に生産環境に適した株を得るためのゲノム全体のファインチューニングとして、様々なケースに当社の技術を活用いただけます。

背景となる課題

  • バイオ生産に用いる産業用株の開発には合成生物学の手法が用いられることが多いが、最新技術をもってしても生物の特定の範囲しか最適化できず、生物全体としての最適化は不可能なため、実用的な性能が付与されない。
  • 機械学習などの最新技術を活用し、限定された範囲を最適化した場合でも、学習するデータのノイズが考慮されておらず、有用な最適化情報を見逃す例が多々あり、野生株よりは高まっていても実用水準に達していない。
  • 遺伝子工学的にアプローチできる形質には限りがあり、環境への適応や代謝全体のバランス調整などゲノム全体を対象にした実用的な技術が存在していない。

活用している技術

  • 目的に応じて合成生物学的に遺伝子を設計し、微生物や細胞に遺伝子を最適発現レベルで導入する技術
  • 代謝のボトルネックとなる酵素を、洗練された学習情報のみから配列を最適化して、性能を最適化する技術
  • 不均衡変異導入法により、従来技術では不可能な多様な変異ライブラリーを構築し、遺伝子組換えでは付与できない形質の付与や、ゲノム全体を調整する技術
  • 配列や変異株など多様化したリソースから、目的の性能を持つ対象を選抜するハイスループットスクリーニング技術

現在のステータス

  • 国内外の食品、化学、製薬など幅広い企業に対して受託開発サービスを提供してきた
  • 創業以来100件以上の開発実績があり、近年では特に精密発酵の領域に対して需要が増している

活動している国

日本、アジア、ヨーロッパ

パートナー

培養装置メーカー、実験機器メーカー(自動化等)、培地メーカー、センシング企業など

MessagePICK UP PERSON

  • 尾島 匠

    株式会社ちとせ研究所
    Tech & Biz Development Div.
    Senior BioEngineer
    合成生物学の発展によりこれまでできなかったこと、例えば「化成品原料を微生物で作る」といったことも実現に近づきつつあります。一方で、巷で言われているようにデータベースにあるゲノム情報等をかき集めてきてコンピューターでシミュレーションを実施し、その通りに遺伝子組換えすれば欲しい製品を大量に生産してくれる生物が作れるか、と言えばそう簡単な話ではありません。実際に取り組んでみて、思った通りにいかない経験をされた方も多いのではないかと思います。生物はその種類を問わず、我々人類が考えているよりもはるかに複雑で、そして緻密な物体であり、まだまだわからないことが多いために合理的にデザインすることができないのです。では、わからないことを全て解き明かせば良いわけですがそれには膨大な時間を要するはずで、現実的ではありません。 生物を扱う上で大切なことは「全てを解き明かした上で思い通りに工学すること」ではなく、「わからないことをわからないまま工学する」ことだと考えています。生物は長い時間の中で「進化」という能力を使ってその時々の環境に適応してきました。我々は合成生物学や育種というツールを使用して、生物が持つ進化という能力を引き出すことで、産業利用に足る生物を開発する技術を磨いてきました。これまでに、新規代謝経路の構築や、アイテム生産に重要な酵素の改良、生産性の向上や培養しやすい細胞形態への改変、培養環境への最適化など様々な生物に様々な形質を付与する開発を実施してきた実績がございます。 全てのバイオものづくりにおいて、微生物株の構築は重要な最初の入り口です。「新たに微生物株を構築したい」、「構築した株の生産性が低い」、など産業株の構築にお困りの際はぜひ当社の技術の活用をご検討いただければと思っております。

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