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ブータン王国政府の皆さまをお招きし、ちとせグループ研究拠点の見学会を行いました

2024.09.20

9月5日(木曜日)、ブータン王国からの関係者の皆さまをお招きし、ちとせグループの各研究拠点の見学会を実施しました。

ブータンは 、GNH(Gross National Happiness、国民総幸福)指数の高さや豊かな自然環境で知られていますが、山岳部における基礎医療へのアクセスの難しさと、非感染性疾患の増加や高齢化の進行等をはじめとした様々な医療問題を抱えています。そのためブータンは、医療問題を解決するために、予防重視の方針転換を図り、医療情報を統合管理するデジタルヘルスプラットフォームの構築を目指しております。

今回の見学会は、ブータンにおけるバイオテクノロジー分野への関心を背景に、ちとせのAIを活用した発酵制御技術やバイオ医薬品製造用細胞の開発技術、微細藻類の生産技術をご覧いただき、両国の技術交流を深めるべく開催されました。当日御一行をご案内したPrincipal BioEngineer 坂東とSenior Manager 川原田は、ブータン国旗のカラーである黄色とオレンジ色のネクタイをそれぞれに着用して皆さまをお迎えしました。

ちとせ研究所の野川ラボでは、創業当初からのコア技術である育種技術と、メトリクス領域が誇る最新のAI発酵制御技術をご見学いただきました。培養最適化のためのAIを活用したバイオ生産マネジメントシステムについての詳細な説明に皆さま熱心に耳を傾け、活発な質疑応答が交わされました。

続いて、KSPラボでは、世界でトップクラスの生産性を誇る抗体医薬品製造用CHO-MK細胞や遺伝子治療用ベクターを高生産する新規国産HAT細胞について、さらに微細藻類の培養方法や、そこからバイオマスを抽出する生産技術についてご説明いたしました。バイオ医薬品の将来性と自国への展開や、自国における微細藻類の培養可能性を議論したり、収穫された藻類バイオマスを実際に手に取ったり、皆さま熱心な様子で見学いただきました。

その後、ちとせグループ代表藤田との会合が行われました。当社側から企業紹介を行い、強みやヘルスケア領域における事業化に関する知見等の議論を行った後、ブータン側からも国家の状況、抱える課題や、デジタルヘルスプラットフォーム構想について、プレゼンテーションを頂きました。ブータンは、78万人という人口の少なさ、その独特な地形、国外への人の移動の少なさという地理的、地政学的なメリットを生かし、国民の健康データや生物多様性のデータ等を取集しています。その集積されたデータを国民の健康向上に利用するだけでなく、最新の研究機会への提供や新たな産業を構築していくために活用したいという構想を持っており、その方法論についての意見交換を行いました。今回の訪問を通じて、ちとせグループが持つバイオテクノロジーの可能性がブータンに広く認知され、今後の技術提携や協力が期待される一歩となりました。これからも両国間の技術交流を深め、持続可能な未来を共に創るための連携を一層強化してまいります。

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