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イベント / 講演

10月15日(水)、MATSURIパートナーを対象に情報共有会「合成生物学をどう活かす?!『イソプレンMATSURI』本格始動」を対面・オンラインのハイブリッドにて開催し、約60名の方にご参加いただきました。
ちとせグループ バイオ生産本部長の河合哲志と、発酵生産分野を担当するSenior BioEngineer尾島匠より、バイオものづくりにおけるちとせの戦略と、イソプレンの事業化に向けた構想について共有しました。

始めに河合から、ちとせが強みとしてきた変異育種による菌株開発と、今回話題とする合成生物学的手法を用いた菌株開発との違いやそれぞれの特長について示しました。
次に合成生物学のスペシャリストである尾島より、合成生物学で生き物を“デザイン”することの難しさを述べ、続けて、ちとせの育種技術を組み合わせた菌株開発の戦略を共有しました。
また、MATSURIは100%サステナブルなバイオものづくりに取り組んでおり、非可食バイオマスを用いたバイオリファイナリーのアイテムとして、イソプレンをつくる「イソプレンMATSURI」プロジェクトを紹介しました。イソプレンは主に合成ゴムの原料として用いられますが、タイヤ用ゴムに留まらず、化粧品基剤、香料など、様々な製品への展開が可能です。MATSURIでは、バイオイソプレンを原料に高付加価値な製品への開発を目指してまいります。
ちとせでは既に、独自の工学技術によりイソプレン生産菌株の構築に必要な宿主や酵素の開発に着手しており、商業利用に足る生産菌構築のための要素が揃いつつあります。一方で、糖源の生産やイソプレンの加工など、商業生産を実現するためには様々な業界のパートナー様の協力が必要不可欠です。MATSURIを通じて、製紙、糖化酵素、設備、化学、ゴム・素材など、多岐にわたる業界・業種の方々と共に、原料から最終製品に至るサプライチェーンの構築に取り組んでまいります。
対面会場では、登壇者とパートナーたちの情報交換があちこちで繰り広げられ、バイオものづくりへの関心の高さが感じられました。「ここだけの話」も飛び交いながら、リアルな情報が共有されました。新しく加わった企業のパートナーとのつながりも生まれ、本会がまさに新しい協業の種が芽生える場となっています。
次回ご案内
次回のMATSURIパートナー限定情報共有会「藻ツリーの実り-藻類バイオマスの広がりを探る-」は、11月5日(水)にハイブリッドで開催いたします。「藻ツリー」とは、藻類バイオマスを一本の「樹」に見立て、その幹から樹脂や化粧品原料、タンパク質など多様な素材が生まれるというイメージを表しています。これまでにMATSURIでは、PET樹脂や化粧品、塗料用樹脂などで藻類バイオマスを用いた用途開発を進めてきました。さらに藻ツリーを広げていくため、未開発でありながら期待の集まる領域に注目していきます。
開催概要
日時:2025年10月15日(水)14:00~15:20
題目:MATSURI情報共有会「合成生物学をどう活かす?!「イソプレンMATSURI」本格始動」(対面・オンライン)
MATSURIとは
https://matsuri-partners.chitose-bio.com
MATSURIは、2021年に藻類産業の構築を目指してスタートした、ちとせグループ主導の産官学連携の取り組みです。2025年、MATSURIは藻類の枠を超え、“バイオエコノミーを推進する産業横断型の共創イニシアチブ”へと進化しました。バイオを基点とする社会の実現に向け、AIを活用したバイオものづくり、資源循環、持続可能な農業など、私たちの挑戦はますます広がっています。その名の通り、人類史に残るお祭りとして、共に未来をつくる仲間を募集中です。業種・規模を問わず、ぜひご参加ください。お問い合わせはこちらから。
関連情報
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[JOURNAL] 「ユニコーンバイオベンチャーから見た合成生物学の真の可能性」を、ド文系広報が脱線しながらかみ砕いてみた